動画の簡易編集
動画ファイルから一部を切り出して保存したり、 CMをカットしたりするなどの簡易編集の話です。
概略
動画編集は、編集する範囲の違いで下の 2つの方法があります。 このページでは 1. の話だけ眺めています。
- 圧縮データのままカットや連結などの編集を行う。
- 一度デコードした動画データで編集を行い、 編集が終わったら再圧縮を行う。
2. の方が自由度が高く複雑な加工ができますが、 再圧縮で激しい劣化が起こり、 しかも時間もかかります。 細かい加工を気にせず CM をカットする程度の処理であれば、 1. の方が簡単に行うことができ、 再圧縮もしないので品質の劣化も生じないメリットがあります。 ただし、1. の方法にはそれなりに制限もあります。
再圧縮をしない編集では、 キーフレームや Iフレーム、 Pフレーム、Bフレームといった言葉が出てきます。 動画の一部を選択して取り出すときに、 開始位置は Iフレームで指定します。 細かい位置を指定することができません。 Pフレームや Bフレームを指定すると、 映像のつなぎ目が乱れるなどの問題が生じることがあります。
Avidemux の例 (2012)
下の絵は、動画編集ソフト Avidemux の画面です。
動画の簡易編集ソフト Avidemux (2020)
早送り、巻き戻しを行うボタンが2種類あり、 P フレームや Bフレームは1コマ単位、 I フレームは 10コマなどやや大雑把な単位でスキップします。 Frame Type のところで現在のフレームの種類 (Iフレームか、P,Bフレームか)が表示されます。 Aボタンで選択範囲の開始位置、 Bボタンで選択範囲の終了位置を指定します。
符号レベル(再圧縮しない)でカットする場合は、 選択範囲の開始位置は Iフレームになるようにします。開始位置が P,Bフレームの場合は、 選択範囲を保存するときに下のようなエラーがでます。
素材の動画の圧縮率が非常に高いとI フレームの数が少なくなり (たとえば20-30コマで1コマなど)、 かなり大雑把にしかカットできない場合もあります。 この種の話が気に入らない、 もっと細かく調整してカットしたいという話になると、 より本格的な動画編集ソフトを使うことになります。