動画ファイルの種類いろいろ
追記 (2020)
下の話は 2010年代前半に使用されていた 主な動画ファイルのフォーマットについての説明です。 2020年頃にはすでに古くなって実質引退しているフォーマット (mpeg-2, flv など) や新しく増えたフォーマット (H.265, WebM など) があります。
2020年頃でも mp4 (映像は H.264, 音声は AAC) ぐらいが無難です。 音声だけの場合は無理して非可逆圧縮せず flac を使うか、 特許の切れた mp3 も無難です。
番外
最新ほど手間ヒマ特許料ばかりかさむ割には 大したメリットもないという話もあったりして・・・ 重箱の隅をつついてツウだけうならす 斜陽部門。 伸び盛りの時代も過ぎるとそんなもんです・・・。
ツウがうなると衰退するの法則
動画や音声の圧縮の話は、特許料や プラットフォーム の 囲い込み も絡んだ話なので、 一味違う斜め上の話ほど大したメリットもない割には 手間コストばかりかかる地雷の話と考えてください・・・触れてはならない黙示録。 商売的にはすでに賞味期限も切れた分野です。 出がらしの ジェネリックフォーマット を使う方が無難です。 (H.264 はまだ特許が切れていないけど・・・そのうち切れます)
動画圧縮も遠い昔のツウをうならす極限圧縮のような話ではなくて、 テレビ電話やテレビ会議に適した 低遅延 でほどほど品質の圧縮の方が重要度が上がっています。
動画ファイルのフォーマットに関する前置き話 (2011)
2000年代までさまざまな動画フォーマットが乱立した。 1990年代の黎明時代、2000年代の乱立時代を経て、 2010年代に入ると動画フォーマットも混乱期を超えて だんだん収束しつつある。
動画ファイルのフォーマットには、下の話があります。
- 映像や音声などのデータの格納方法(コンテナ、多重化方式)
- 映像圧縮の方式
- 音声圧縮の方式
MPEG-2 や MPEG-4 などの用語は、1. のコンテナの意味で使う場合と、
2. の映像圧縮方式を指す場合があるので区別します。
コンテナフォーマット
◎構成例 拡張子 コンテナ 映像圧縮 音声圧縮 例 MPEG-4 mp4 MPEG-4 AVC/H.264 AAC さまざまな用途 Apple QuickTime mov MPEG-4 AVC/H.264 AAC アップルのファイル AVCREC, BDAV mts, m2ts MPEG-2 TS AVC/H.264 AAC BD ビデオ AVCHD mts, m2ts MPEG-2 TS AVC/H.264 AC-3 HD ビデオカメラ Flash Video flv f4v AVC/H.264 AAC ネット動画 MPEG-2 mpg, mpeg MPEG-2 MPEG-2 AC-3 DVD ビデオ MPEG-2 mpg, mpeg MPEG-2 MPEG-2 MP3
同じ拡張子、同じコンテナの動画ファイルでも、 映像圧縮方式や音声圧縮方式が異なる場合もあります。 たとえば、mp4 でも映像圧縮が MPEG-2、音声圧縮が MP3 という組み合わせもあります。 プレーヤーによっては、 対応する映像や音声のデコーダが搭載されていないため、 映像だけ再生されないとか音声だけ再生されないといったことも しばしば起こります。
動画ファイルのフォーマットを調べるソフト
真空波動研 SuperLite
ダウンロード:窓の杜 - 真空波動研 SuperLitezip ファイルを解凍して、 アプリケーションのアイコンに動画ファイルをドロップすると フォーマットの詳細を表示します。 アイコンはおどろが飛んでるけど良心的なソフトです。
「滅」のアイコンに動画ファイルをドロップすると ファイルの情報を表示する。
コンテナは FlashVideo、映像が H.264 main profile, 音声が AAC であることがわかる。
コンテナは MPEG-4、映像が H.264 baseline profile、 音声が AAC-LC であることがわかる。
Media Player Classic Home Cinema
MPC Home Cinemaは動画再生ソフトです。
再生中の動画ファイルのフォーマットの詳細を見ることができます。
Media Player Classic Home Cinema
2012年頃、多用されているフォーマット
MPEG-4(MP4)
MPEG-4 は、 データを格納するコンテナを指す場合と 映像圧縮方式をさす場合があるので区別します。 ここではコンテナの意味で説明しています。 MPEG-4 はパソコン、ビデオ機器、スマートフォン、 モバイルプレーヤーなどさまざまなところで使用されています。 2011年頃は映像圧縮で主に MPEG-4 AVC/H.264、 音声圧縮で AAC を用います。 アップルの mov ファイルもコンテナは MPEG-4 と同じです (というより MPEG-4 はアップルの QuickTime をベースにしています)。
Adobe FlashVideo
(2012頃) ネットの動画サイトで多用される。YouTubeが代表格。 FlashVideoも近年は映像圧縮で H.264、 音声圧縮で AAC を用いるようになっている。
(追記2020)その後、YouTube は webm に置き換わった。 他の動画サイトでも mp4 を使用している。
BDMV, BDAV, AVCHD など
BD で用いる。 コンテナに MPEG-2 TS、映像圧縮に主に MPEG-4 AVC/H.264 を使う。 音声圧縮は BDAV で AAC を、BDMV で AC-3 などを用いる。 AVCHD はハイビジョンビデオカメラやBDで使用。 映像圧縮に MPEG-4 AVC/H.264、音声圧縮に主に AC-3 を用いる。
MPEG-2
2000年代の代表格のフォーマット。 近年は旧式化しつつあるが数ではまだまだ主流。 DVD ビデオやテレビのデジタル放送で用いられる。 MPEG-2 はデータを格納するコンテナを指す場合と 映像圧縮方式をさす場合があるので区別する。
従来、使われたフォーマット (2012)
かつてはにぎわった時代もあるけど最近は影が薄くなったもの、 あまり見かけなくなったもの。
WMV
マイクロソフト Windows Media。 WMV が映像圧縮方式、WMA が音声圧縮方式、 コンテナには ASF を用いる。 映像圧縮方式としての WMV は、BD でも VC-1 として残っている。
3GPP
2000年代の携帯電話の映像再生で用いられた。 コンテナに MPEG-4 を用い、基本的には MPEG-4 ファイルの一種です。映像圧縮に H.263、音声圧縮に AMR という過渡期的な組み合わせを用いる。 H.264 や AAC はまだオプション扱い。
スマートフォン時代になると、多分、コンテナ MPEG-4、 映像圧縮 H.264、音声圧縮 AAC ぐらいで落ち着くのか?。
DivX
ネット動画配信やPCの動画ファイルで使用されたフォーマット。 2000年代にある程度普及した。
RealVideo
2000年代にネット動画配信で使用された。
Motion JPEG
初期のデジタルカメラの動画ファイルなどで使用された。 AVI などに格納する。 映像を1コマずつ圧縮するシンプルな仕組みを用いる。 データサイズはとても大きくなるけど、 初期の性能の低い機器でも搭載しやすかった。 1コマ単位で圧縮するシンプルな仕組みは現在でも H.264 などで業務用機器で用いられる。
DV
1990年代半ばから2000年代のビデオカメラで使用。 MPEG-2 より前の時代のフォーマット。Motion JPEG の親戚ぐらい。
MPEG-1
ごく初期の動画フォーマット。 1990年代のビデオ CD ぐらいか?。 その後、MPEG-2 や MPEG-4 が登場したので発展的に解消した。
比較的最近のもの (2012)
WebM
WebM も動画フォーマットの1つで比較的最近出てきたフォーマットです。 2011年5月頃、YouTube で WebM に移行するという話も出ている。 まだ、黎明・実験的な雰囲気が強いのでしばし様子見ぐらい?。
(追記2020) その後、YouTube は webm に置き換わった。
その他
特許やライセンスが絡むとややこしい・・・ おぜぜの攻防と 囲い込み の心臓部・・・。