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動画の簡易編集ソフト Avidemux (2020)

上:Avidemux 2.7.6(Windows10)の画面
上:Avidemux 2.7.6(Windows10)の画面

紹介

Avidemux は mp4 や WebM などの動画の編集が行えます。 映像を再圧縮せずに圧縮データのままで不要な部分をカットしたり、 必要な部分だけ取り出して連結したりの編集ができます。

ダウンロードとインストール

Windows10の場合は 64-bit Windows Intaller を選びます。 インストーラの指示に従ってインストールします。

● avidemux 2.7.6, 64-bit Windows Intaller (2020/09頃)
インストーラ     37MB
インストール後  100MB   ポータブル化は可能

起動

avidemux.exe をダブルクリックすると起動します。 このソフトはあまり日本語化されていません。 難しい英語ではないので慣れてください。

(補足) Windows10 のディスプレイの設定

近年のノートPC は画面の画素数がフルHD (1920x1080画素) になっていて、Windows10 でスケーリングを 150% にしてあることも多いです。この設定では avidemux のウインドの 縦があふれて下側がうまく操作できない (ウインドをリサイズしようとすると異常終了する) ので、 スケーリングを 125% にすると操作できます。

Windows10, ディスプレイ設定, スケーリング
Windows10, ディスプレイ設定, スケーリング
拡大縮小とレイアウトを 125% にする

再圧縮なしの編集

先に要点で

再圧縮なしのカット編集

映像の不要な部分を、再圧縮なしでカット編集する話です。

変換モードと出力フォーマットの設定

Avidemux, 変換モードと出力フォーマットの設定
Avidemux, 変換モードと出力フォーマットの設定

再圧縮なしで編集する場合は Video Output (映像出力), Audio Output (音声出力) を Copy にします (図の①,②)。 Output Format (出力フォーマット) は、読み込んだファイルが WebM の場合は Webm Muxer、 MP4 の場合は MP4 Muxer にします (図の③)。

コピーやカットの編集の基本は Iフレーム単位

映像を再圧縮なしでコピーしたりカットしたりするときに、 映像の範囲指定は基本はキーフレーム (Iフレーム) 単位で指定します。
動画の簡易編集

Pフレームの方が細かい位置を指定できますが、 条件によってはコピーやカットのときに警告が出たり、 無理にコピーやカットをしても映像の継ぎ目が乱れる場合があるので、 詳しい話が分かるようになってから使う方が無難です。

Avidemux,映像の範囲指定
Avidemux,映像の範囲指定

図① のボタンで Iフレーム単位でスキップできます。 フレームの種類は図② のところに表示れさます。 Iフレームは I-FRM、Pフレームは P-FRM などのように表示されます。

映像の範囲指定の開始位置、終了位置は図③ のボタンで行います。 A で開始位置を設定、B で終了位置を設定します。 選択された範囲は、図④ の部分に表示されます。

ビットレートの低い映像 (圧縮率の高い映像) では、 Iフレームが 4-5秒に 1個程度しかない場合もあります。 このような映像では選択位置が大雑把になり細かい位置を指定できません。 Pフレーム単位の細かい位置指定の話は下の方にあります。

メニューバーの Edit (編集)で、Cut (カット)を実行すると 選択範囲の映像がカットされます。

編集した映像をファイルに保存する

Fileメニュー → Save でファイルに保存します。 このとき範囲選択されていない状態で保存してください。 範囲選択されいている状態だと、その部分だけの映像が保存されます。

編集した映像を保存
編集した映像を保存
出力フォーマット (Output Format) の設定にも注意。

Output Format (出力フォーマット) は、読み込んだファイルが WebM の場合は Webm Muxer、 MP4 の場合は MP4 Muxer にします。

再圧縮なしの場合は、短時間でファイル保存されます。 ファイル保存に時間がかかる場合は再圧縮しているかもしれないので、 Video Output や Audio Output の設定に誤りがないか確認してください。

異なるフォーマットで保存する

Output Format は、異なるフォーマットにできる場合もあります (例えば、元のファイルが WebM で出力ファイルを mkv にするなど)。

映像や音声のフォーマットによっては 出力できない組み合わせでエラーになる場合もあります。 例えば、元のファイルが WebM で出力ファイルを mp4 にはできません。 この場合は、Video Output や Audio Output を設定して、 再圧縮による保存が必要です。 再圧縮による映像や音声の劣化が発生します。

映像や音声のフォーマットによっては、 ファイル保存できても特殊な組み合わせのため プレーヤーによってはうまく再生できないこともあります。 このあたりの話は複雑なので、実際に試して問題ないか確認してください。

Output Format は、基本は元の映像ファイルのフォーマットに揃えて おくのが無難です。

コピー保存した映像ファイルを連結する

範囲選択した状態で Fileメニュー → Save でファイルに保存すると、 選択された部分だけが保存されます。 元のファイルを残す場合は上書きしないように注意してください。 通し番号をつけたファイル名にしておくと、 後で映像の連結で読み込むときに便利です。

append で追加読み込み

Fileメニュー → Append で、 現在開いている映像の後に読み込んだファイルの映像を追加します。 映像ファイルを Avidemux のウインドにドラッグ&ドロップしても 現在の映像に追加になります。

映像ファイルの追加読み込み
映像ファイルの追加読み込み

注意点として、追加読み込みする場合は映像フォーマット (縦横の画素数や圧縮方法など) が同じになるようにします。 映像フォーマットが異なる場合は下のような警告ダイアログが出て 追加読み込みできません。

映像ファイルの追加読み込み、警告ダイアログ
映像ファイルの追加読み込み、警告ダイアログ
映像フォーマットが異なるのでそのままでは読めないと言ってる

元が同じ映像ファイルの一部を 複数のファイルにコピー保存している場合は、 フォーマットが揃っているので 上のような警告ダイアログは出ません。

細かい位置を指定する場合 (Pフレーム単位で編集)

こちらは複雑な話なので、はじめて眺める人は気にしないでください。 Pフレームを指定したコピーやカットも条件付きで一応できますが、 いろいろ注意点があるので、 はじめて操作する人は混乱すると思います。

Avidemux では、 Pフレームをマウスで直接選択して A,B ボタンを押してもすぐには範囲設定されません。 Pフレームは下の絵の ① のボタンで指定します。 最寄の Iフレームから ← や → のボタンを押したままの状態でたどれます。 その後で A, Bボタンを押すと範囲設定されます。

Pフレームで範囲指定。
Pフレームで範囲指定。

絵の②でフレームタイプが P-FRM となっているフレームが P フレームです。I フレームとは性質が異なるフレームです。 P フレームを指定する場合は、下のような制限があります。

● Pフレームを指定する場合の条件

          開始点               終了点
コピー    Iフレーム            任意,Pフレームも可
カット    任意,Pフレームも可   Iフレーム

例えば、カットする場合は終了点を Pフレームにすると 映像のフォーマットによっては問題が起こります。

補足: Pフレームと Iフレーム

Pフレームは Iフレームや直前のフレームを元に 映像の変化した部分を圧縮符号化しています。 ということで、元のIフレームがないと、 次のIフレームが現れるまでの間の Pフレームは正常な映像になりません。 映像のつなぎ目で映像が乱れたり、 しばらく静止画状態や黒い映像になったりする現象は このような理由で起こります。

Avidemux, 警告ダイアログ、キーフレームでない位置
Avidemux, 警告ダイアログ、キーフレームでない位置

カットやコピーの保存で映像が乱れる問題が起こりそうなときには 上のような警告ダイアログが出ます。 キーフレーム (Iフレーム) でない位置を指定しているときに出ます。 Pフレームでカットやコピーをするとどうなるか 実際に確かめてください。

いろいろ

● WebM ファイルの再生

・1) 無難な WebM ファイル
・2) Avidemux で切り出したファイル

              1)   2)
  MPC-HC     ○    ○
  Chrome83   ○    ○
  新Edge83   ○    ○
  Firefox81  ○    ×*1)
  旧Edge     ×    ×     気にせず。すでに引退。

  *1) ファイルが壊れてるエラー。

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