gorogoronyan FC2

PC の歴史: HDD と CD-ROM

追記 (2022/11)

歴史で「発明された」「ハコモノが登場した」 という話が出てきたときに、すぐに誰でも使う時代になるわけではありません。 登場してから誰でも普通に使ってる時代になるまでにはある程度の遅延があります。 昔の PC や AV 機器でもこなれた値段になり使い勝手も改良され、 巷で普及しはじめるまでに 5年から 10年ぐらいの遅延があります。 最近の 5G スマホや電気自動車でも分かりやすい?。

HDD と CD-ROM はいつ頃使われるようになったか? (2014/02)

HDD CD-ROM はハコモノ自体は 1980年代にすでにあり、 一部の PC にも搭載されはじめていました。 でも、値段がとても高価でお手軽に使えるとは言えない状態でした。 こういう話は主観的な思い出話よりも、 当時出ていた主力のアプリケーションソフトを眺めるとわかりやすいです。

当時のワープロソフトの場合

当時、ワープロソフトの主力だった 一太郎 の場合、Ver.3(1987年) がフロッピーディスクを前提にしたソフトで、 Ver.4 (1989年)になると HDD がないと使いにくい状態になっていました (一応、フロッピーディスクだけでも使えたか?)。 この頃、ビジネス用のデスクトップ PC でだんだん HDD 搭載を前提にした話が増えてきます。 一方で、同じ頃に本格的にノート PC も出てきて脚光浴びはじめました。 ノート PC はデスクトップ PC に比べると性能が低くなりがちで、 当初は HDD を載せていなかったため重厚化したソフトを 動かすのには適していませんでした。 そのため一太郎を軽量化したバージョンも出てきました。

当時のゲームソフトの場合

もう1つわかりやすいのはゲームソフトです。 PC でゲームをする人々は 企業ユーザーのように最新の高性能で高価な PC を使えたわけではないので、 ゲームソフトも当時の PC の実情に合わせて作られていました。 1990年末に登場した A列車で行こうIII はフロッピーディスクのみで動くソフトで、 1993年末に登場したA列車で行こうIV になると HDD へのインストールを前提にしたソフトになりました。 この間に HDD の普及が進みました。「A列車で行こう」も 2000年代には強力なグラフィクスがないとまともに動かない (性能の低いありきたりな PC では動かない) と言われていたゲームです・・・。 コーエーの 三國志 も三國志 II (1989年) はフロッピーディスクだけで動くゲームでした。 III か IV の頃に HDD 用になったのだろう。

CD-ROM の普及

CD-ROM では、Mac で 1990年代前半の比較的早い時期にデスクトップ PC で全機種標準搭載になり、マルチメディア時代の先鞭をつけました。 PC では Windows 化が進みはじめた 1994年頃から標準搭載されるようになりました。 PC でもこの頃、MS-DOS 時代から Windows 時代への転換がはじまり (こちらも参照)、 HDD やモデムやプリインストールソフトなど一式を 標準搭載したオールインワン PC が多く出始め、CD-ROM も標準的な PC の装備の 1つになりました。

CD-ROM が搭載されはじめたとは言っても誰でも普通に使っている時代ではないので、 アプリケーションはまだまだフロッピーディスクで販売され、 フロッピーから HDD にインストールするのが普通の時代でした。 日本で 1993年5月に発売された Windows3.1 にもフロッピーディスク版がありました。 たしかフロッピーディスク 15-16枚ぐらいだったと思う。 1990年代半ば過ぎのソフトでも フロッピーディスクと CD-ROM の両方を入れてあるソフトもありました。

資料

ICM、HDD の広告 (1990年)
ICM、HDD の広告 (1990年)
40MB の外付け HDD が 10万円近辺。

当時、PC に HDD をつなぐインターフェイスとして SASI SCSI がありました。 当時、 USB はまだ登場していません。 USB がストレージで本格的に使われ出したのは USB 2.0 が普及し始めた 2000年代以降です。

番外 2022/11
 PC 江戸時代には他社の HDD がつながらないようにするため、 極悪なプロテクトをかける話も・・・ オープン化、ネットワーク化とは正反対。 その後、幕末維新で幕府が倒れたという話も・・・。

関連

inserted by FC2 system